私は方向音痴です。
商店街でお店に入ったり、デパートでトイレに入ったりしたら、出た時にどちらに行くべきか悩みます。
地下道ではどの道を進めば目的の出口に出られるのかよくわからなくて、一度地上に出て辺りを見回してから、もう一度戻ることもあります。
知らない場所に行くときには地図が欠かせません。
タブレットの地図は便利だといわれますが、勝手に地図が回ると何が何だかわからなくなるので、専ら印刷して自分で地図を回しながら歩きます。
子供が生まれた時に、自分のようにしたくないと思い、いろいろな働きかけをしました。
その甲斐あってか、小学4年生になった子供は道を覚えるのが上手ですし、立ち止まってキョロキョロしている私を尻目に、子供は全く悩まず先に立ってスタスタと歩いていくようになりました。
小さいころから遊びながら観察力や空間認知能力を養っておくと、必ず将来役に立ちます。
今回は、子供を方向音痴にしない方法…その1です。私が実践したことをご紹介しながらまとめました。
◎道に迷う人の特徴
道に迷う人にはいくつかの特徴があるといいます。主な特徴は次のようなものです。
① 観察力がなく、周りをよく見ていないので目印を見つけられない。
② 空間認知能力が低く、頭の中で地図や空間や立体をイメージすることができない。
③ 方角の感覚が身についていない。
④ 地図の見方がわからないし、人に聞かない。
⑤ 思い込みが激しく、あれ?と思った時に戻らないし戻れない。
つまり、このようにならないように、小さいころからさまざまな能力を鍛えておけば、方向音痴になりにくく、困った時にも対応できるようになるのです。
能力を高めるといっても、楽しくないことを子供はやりません。
遊びながら身につけさせるのが一番です。
上で述べた5項目について、それぞれ遊び感覚で訓練する方法を体験談からお伝えしていきます。
本編では①~③について記しています。④⑤については下記で述べたので、よろしければご覧ください。
子供を方向音痴にしないために…その2地図に触れよう!道に迷って探検しよう!
子供を方向音痴にしないために…① 観察力を鍛え、目印に注目させよう!
お子さんとお散歩するようになり、意志の疎通や指差しができるようになってきたら、お散歩やお出かけの際に時々でいいので、「おうちはどっち?」と聞いてみましょう。
最初は、家が見えている位置から始めるといいですね。
家の方を指させたら「ピンポン!大正解!」などと大いにほめます。
違っていたら、「ブッブー!残念!こっちでした!ほら、あの青いお屋根が〇〇ちゃんのおうちだよ」「あの白い建物におうちがあるんだよ。何階にあったかな?」など、あくまでもクイズのようなノリで楽しくやってみましょう。
そのうち子供は、正解したい!お母さんにほめてもらいたい!という気持ちから、自分から周りをよく見るようになります。
正解率に応じて、だんだん質問する位置を遠くする、曲がってはいないけれども家が見えない位置や、1回曲がったけれども家は見えている位置で質問してみるなど、だんだん難易度を上げていきます。
家の近くの公園や、幼稚園、街へ出かけた時などにも試してみます。
不正解だった時には、「あの山が見える方におうちがあるよ」「あの建物はおうちの近くにあるよね」など、目印になるものを教えます。
正解だったら、どうしてわかったのかを聞いてみるといいですね。
子供がどんなものに注目しているのかがわかります。
外出した際の帰り道で、どちらに進んだら家に帰れるかをお子さんに聞いてみるのもよいでしょう。
いつも同じ道から帰っていると慣れてしまいますから、いろいろな道を通ってみると、お子さんの頭の中に家の周りの地図が目印とともに描かれていきます。
子供を方向音痴にしないために…② 空間認知能力を育もう!
空間認知能力を育むためによいといわれているのは、積み木やブロック遊びなどです。
それらももちろんよいのですが、うちの子は男の子だったこともあって、子供とプラモデルをよく作りました。
本格的なものでもいいのですが、スーパーのお菓子売り場に売っているような、小さなガムやラムネがついているプラモデルでも十分です。
スーパーのお菓子のおまけでは接着剤が必要なくはめこむだけなので、手軽に楽しめます(逆に言えば、はめこむだけなのできつくできており、子供の力でははまらない部分もあるので、手伝いは必要です)。
子供に人気のヒーローのアイテムができるもの、変形合体ができるロボット、恐竜ができるもの、設計図通りにもできるし自分で自由に組み合わせて新しく創造できるタイプなどもあります。
男の子向けよりも数は少ないですが女の子が喜びそうなものもあります。
最初は「黒の1番を探して部品を外して」などと、数字を探したり指先を使ったりする練習から始めます。
そして頃合いを見計らって、わかりやすい形の部品を選んで、「この部品をこの設計図の向きに合わせて置いてごらん」「この部品はどこにどの向きではめればいいかな?」などと質問してみます。
これによって平面と立体を頭の中で一致させたり、立体をとらえたりする能力が育まれ、空間認知能力も向上したと思います。
また、親子でものづくりが楽しめ、出来上がったもので子供が遊べるので、よかったです。
子供を方向音痴にしないために…③ 方角の感覚を身につけさせよう!
小学校2~3年生になると社会で方位を習います。
方位を覚え始めた頃には、家や学校など身近な場所では東西南北の方角を言えるけれど、外出先ではわからなくなってしまう、ということはよくあります。
そのような時、たとえ一つの方角を教えても、それ以外の方角が言えません。
家などでは「こちらが北でこちらが東」などといわば丸暗記しているだけで、東西南北の関係をしっかりと把握できていないのです。
ですから、家で方位を言えるようになったからといって安心しないで、外出先や車の中、地図を見た時などにも質問してみることが大切です。
うちの子はここにかなりの期間を必要としました。
例えば北を教えても他の方位がわからなかった場合、「家にいる時を思い出して。家にいる時は北を向いて立った時に東はどっちにある?右手側?後ろ?左手側?」と問いかけてみました。
そして「位置関係は家にいると同じだよ。家では北を向いて立ったら右は?そう、東だね。じゃあ、今ここで北を向いて立ったら東はどっちかな?家にいる時と同じだから…」などと話します。
最初は、違う場所にいるのに家にいる時のことを思い出すだけでも大変でしたし、方角という見えないものを説明するのもたいへんでした。
最初はなかなかわからなくて、どうやって説明したらいいのかと悩むこともありました。
あまりしょっちゅう質問すると嫌がられるので、頻度にも気を使い、あくまでもがっかりした表情を見せずに、クイズ感覚で、楽しくできることを心掛けました。
最初はわからなかったり、答えにたどり着くまでにかなり時間がかかったりしましたが、何度も繰り返すうちに答えるまでの時間が短くなっていき、だんだん家を思い浮かべなくても答えられるようになっていく様子が見て取れました。
同じ頃に理科では太陽の動きも習いますので、これも関連づけて教えていきたいですね。
理解しにくいようなら最初は家や学校で太陽の動きに注目させ、だんだん外出先でも聞いてみるようにするといいでしょう。
影の向きにも注目します。
「今太陽はどちらにある?今ちょうどお昼だね。ということは太陽がある方向は東西南北どちらの方角かな?じゃあ、影ができているこちらの方角は?これから太陽はどちらに動いていくかな?影はどちらに動いていくかな?」「今は夕方、ほら太陽が沈んでいくよ。あの方角はどっち?明日の朝はどちらから顔を出すのかな?」などと質問してみます。
これらを何度も根気よく繰り返すうちに、太陽の動きと方角の関係が身についていきます。
うちの子は外出した時の移動中に、時々思い出したように質問するようにし、数か月かかってマスターしました。
まとめ
方向音痴にならないようにするには、観察力と空間認知能力、方角の知識は必要不可欠です。
他にも地図を見る力や方向感覚、迷った時の対応などが必要になりますが、いずれも短期間では身につきません。
しかし、普段の生活の中で遊び感覚で少しずつ訓練することが可能です。
今回ご紹介した方法は、あくまでも例に過ぎません。
お子さんに合った方法を探ってみてください。
将来は自分一人で学校や遊びに出かける子供が困らないように、お母さんの心配が減るように、小さいときからコツコツと楽しく練習させてあげたいですね。
コメント