お子さんに粉薬を飲ませるのって、結構面倒ですよね。
こぼした時は特に悲惨で、早く錠剤にならないかなーなんて思ってしまいます。
でも、どうしたら錠剤が飲めるようになるでしょうか。
今回は、錠剤に焦点をあてて、飲ませ方についてまとめました。
子供に錠剤をあげるのはいつから?~錠剤にするとよいところは?
粉薬と錠剤、どこが違うかというと、お子さんにとって飲みやすいかどうかの他に、お薬の量を調節しやすいかどうか、という点が一番重要な違いになります。
錠剤だと半分や4分の1錠くらいに割ることはできますが、粉薬ならばお子さんの体重に応じて(投薬量は年齢ではなく体重によって決まります)微妙に調節できます。
ですから、小児科や耳鼻科ではお子さんに対して、錠剤があってもあえて粉薬を選んで処方するお医者さんも少なくありません。
また、錠剤にしたいと思っても、「今の体重では一番小さな錠剤でも多すぎてしまうので粉薬にしかできません」ということもあります。
薬局の方で、いつも処方が回ってくるお医者さんならばそのお考えや、体重がどのくらいになったら錠剤があるのかを教えてくださいますから、相談してみるとよいでしょう。その時に、錠剤の大きさも見せてもらうと参考になりますよ。
体重的に錠剤に移行できそうで、錠剤の大きさも飲めそうであれば、お医者さんにお願いして錠剤にしてもらいましょう。適当な錠剤が出せるような体重になる頃(8歳くらい)には、錠剤を飲む練習ができるようになっています。
錠剤にすると一番よいところは、薬局の待ち時間が短くなることです。
粉薬だと、投薬量がその子の体重に合っているかどうかを計算して確認し、抗生物質、咳止め、痰切りなど一つ一つを測りとって均一になるまで混合し、分包機にかけます。たいていは鎮痛解熱剤などの頓服薬が別の包みになりますから、分包機の掃除をしてからもう一度分包機を動かすことになります。
一人分の薬を調剤するのに時間がかかる上、たいていの薬局では分包機は1台ですから、お子さんがたくさんくる薬局では分包機待ちで待たされるわけです。
錠剤になると、数を数えてシートを切って渡すだけなので、薬局での待ち時間が短くてすむのです。
また、粉薬だと、誤って袋を濡らしてしまった時にダメになってしまいますが、シートに入っている錠剤ならば湿気に強いので安心です。誤ってこぼした時の後始末が楽になるのも助かりますね。
錠剤の飲み方を子供に教えたい!
錠剤を飲ませる時の基本は、上を向いて飲むことです。錠剤は水に沈むので、上を向くと喉の方に落ちてきてくれますから、飲み込みやすくなります。(ちなみにカプセル剤は浮くので下向き加減の方が飲み込みやすいです。)
でも、なんだか喉につまってしまいそうで怖くて飲めないお子さんもいます。最近では錠剤を飲みやすくするゆるいゼリーも市販されているので、そのゼリーの味がお子さんの好みに合えば使ってみるのもよいでしょう。
反対意見もあるかもしれませんが、私は錠剤の飲み方を、お菓子で練習させました。最初は直径2mm程度の小粒のチョコレート菓子、次に清涼菓子(ミントの辛いものではなくて、カルピス味やグレープ味など、お子さんが好きな味を選びます。ラムネ菓子でもいいです。)を使いました。
まず、お菓子を見せて、「これはお菓子だけど、お薬を飲む練習もして欲しいの。してくれたらあげるね。」と話します。子供が同意したら、まず1粒、普通にあげます。お子さんが警戒するようならお母さんも一緒に食べます。美味しいです。美味しいお菓子なので恐怖感が薄れるというところが狙いです。
それから、コップ1杯の水を持たせて、説明します。「じゃあ、お薬を飲む練習をするよ。これを一粒口に入れて、お水を口に入れたら、飲まないで上を向いてみて。お口の中でこれが、ころんころんって喉の方に落ちていくよ。落ちて行ったなーと思ったら、ごっくん!でつかまえるよ。いい?」だいたいイメージできたようなら、実際にやってみます。
「お薬を口に入れて。そうそう。お水を入れてそのまま上を向きます。いいね!お薬がころんころんって喉に落ちていくのがわかるかな?(2mmのチョコレートだと小さすぎてわからないかもしれませんが、清涼菓子程度ならわかります。)わかる?すごい!喉の方まできたら、つかまえるよ、ごっくん!!」
口の中に残ってしまったら、笑顔で「大丈夫!!もう一度お水を口に入れて上を向いて……」から再挑戦です。できたら「すごい!!やったね!!」などとほめちぎります。喉の辺りに引っかかっているような時はもちろん、すんなり飲めた場合でも、コップ半分~1杯のお水を飲むことも教えてあげましょう。
練習が終わったら「よくがんばってできるようになったね。」とほめて残りのお菓子は約束通りあげます(一度に食べていい量や時間帯は指定します)。
錠剤でもできそうだと思ったら、お医者さんにお願いして錠剤を処方してもらいましょう。念のために薬局で、(清潔なはさみで)割って飲んでもいいかどうか確認しておくと安心です。初めての錠剤に適するのは甘いコーティングが「ない」裸錠の錠剤です。
甘いコーティングがある糖衣錠は、たいていはとても苦い薬のためにコーティングがしてあるので、失敗して飲み込めなかった時にとても苦い思いをして、「もう絶対嫌!」になってしまう恐れがあります。
裸錠ならば、糖衣をつけなくても大丈夫なくらいの味ですし、外側も内側も同じ味、飲めなくて半分や4分の1に割って飲んでも同じ味です。
錠剤に移行した時に最も気をつけていただきたいことは、シートのまま飲まないように!ということです。まさかと思うかもしれませんが、お子さんだけでなくお年寄りにも多いのがこの事故です。シートの角が喉に引っかかって取れにくいため、十分に気をつけてあげてください。
まとめ
お子さんが錠剤を上手に飲めるようになると、薬局での待ち時間も、飲む時の手間も少なくなって助かりますね。
子供はよくも悪くも親の期待通りに育つそうです。「薬を飲むのが下手な子ね」と言っていると、「期待通り」に薬を飲むのが下手なままになってしまうといいます。
お薬に限らず、お子さんが何かに挑戦する時には、お母さんが笑顔でポジティブな声かけをしてあげたいですね。
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