妊娠すると体内では様々な変化が起こってきます。
体が必要とする栄養素にも変化が出るんです。
例えば、妊娠前よりも多く必要とされる栄養素のひとつに鉄分があります。
妊娠中は母体のみならずお腹の中の胎児にも血液から酸素を運ぶ必要がでてくるため、母体ではたくさんの血液が流れるようになり体内をめぐる血液量は妊娠前の1.5倍ほどにもなるといわれます。
そのため、血液の原料となる酸素の運搬に必要な鉄分は、妊娠前よりも多く備えておく必要があります。
しかし、血液中の赤血球などの成分はあまり増えないため、母体の血液は薄まった状態になり、それが貧血につながる場合があります。
また、胎児はお腹の中で大きくなるために必要な鉄分を吸収してしまうため、さらに母体の血液中の鉄分が減りやすくなり、貧血になりやすくなってしまいます。
貧血が起こってしまうと、お腹の中の胎児に栄養が届かなくなるだけでなく、突然の立ちくらみなどによって転倒する危険性もあるため、妊娠中の鉄分不足は避けたい症状です。
他にも、鉄分が不足すると赤ちゃんの発育不良や未熟児・早産につながるとされています。
妊娠中だけでなく、産後の母乳の出にも鉄分量は影響しますので、できるだけ鉄分を多く含む食品を日常的に摂取するようにしていきたいですね。
妊娠15週以降は1日の鉄分摂取量の目安が21mgとされ、特に、体内で赤ちゃんが大きく成長する妊娠24週~32週が貧血になりやすい時期とされています。
では、鉄分を多く含む食べ物はいったい何があるのでしょうか?
また、どのくらい食べれば必要量に達するのでしょうか?
今回は、妊婦が摂取するべき鉄分を多く含む食品の紹介や、鉄分の上手な取り方についてご紹介したいと思います。
鉄分を多く含む食べ物は何? 妊婦さんにおすすめの食材やレシピをご紹介
妊婦さんが必要とする栄養素「鉄分」を多く含む食べ物として代表的なものは、ほうれん草・切り干し大根・木綿豆腐・サンマ・アサリなどがあります。
ほうれん草は100g(1/3束)あたりの鉄分量がおおよそ2mg
切り干し大根は20gあたりの鉄分量がおおよそ1.9mg
木綿豆腐は150g(1/2丁)あたりの鉄分量がおおよそ1.4mg
サンマは100g(1尾)あたりの鉄分量がおおよそ1.4mg
アサリは30g(10個)あたりの鉄分量がおおよそ1.1mg
などとなっています。
1日の鉄分摂取量の目安が21mgとすると、ほうれん草だと毎日3束以上を食べ続けないといけません。
どんな栄養素でも同じですが、やはり食べる品数を限定した偏った食生活では必要な栄養素を恒常的に摂取することは難しいです。
同じメニューばっかりだと食べる方も飽きちゃいますしね。
鉄分を含むいろんな食材を使ったビタミンや他の栄養素も一緒に摂取できるバランスの良いレシピで妊婦生活を乗り切るべきです。
先程ご紹介した食材の中でもアサリなどは炊き込みご飯に混ぜ込んだり、パスタの具として和えたり、炒め物にしたりと和風レシピにも洋風レシピにも合わせやすい便利な食材です。
砂抜きの手間がかからないむき身の状態で冷凍食品として売られているのも見かけるので、上手に活用したいですよね。
尚、一般的に鉄分が多く含まれているイメージのレバーなどはビタミンAが多く含まれるため、妊娠初期にとりすぎると胎児に影響が出る可能性が指摘されています。
少しも食べてはいけないということではなく、日にちを空けて量を制限しながら食べると問題ないそうですよ。
でも気にしながら食べるのも難しいので鉄分を補う目的で妊娠中にレバーを積極的に摂取することは避けた方がいいでしょう。
妊婦さんの鉄分補給には手軽なサプリもおすすめ
妊婦さんにとって鉄分は必要な栄養素のひとつですが、毎日欠かさず摂取するのは難しいものです。
また、妊娠中はつわりがあったり、思うように体が動かなかったり体調がすぐれない日もあります。
そんな状態でキッチンに立って長時間料理するのは大変ですよね。
妊婦さんは無理をするのは禁物です。
料理をしなくても、簡単な食事に鉄分などの必要な栄養素をサプリメント等で補給することもおすすめです。
市販品にも妊娠中・授乳中の方向けの鉄分+葉酸が含まれる錠剤のサプリメントなどが販売されているため、手軽に摂取することができます。
私は妊娠中から葉酸+鉄の錠剤サプリメントを食事にプラスして毎日摂取するようにしていました。
一日一回どの時間でも一錠飲めばいいサプリだったので楽に続けることができましたよ。
妊婦用ではないですが、鉄分が多く含まれるヨーグルトなども売られていますので毎日の食生活にプラスして取り入れるのもおすすめです。
まとめ
今回は、妊婦が摂取するべき鉄分を多く含む食品の紹介や鉄分の上手な取り方についてご紹介しました。
妊娠中の貧血はお腹の胎児に栄養が届かなくなるだけでなく、赤ちゃんの発育不良や未熟児・早産につながるとされています。
また突然の立ちくらみなどによって転倒する危険性もあるため、妊娠中の鉄分不足は避けたいですよね。
鉄分は妊娠中だけでなく、産後の母乳の出にも影響しますので、できるだけ鉄分を多く含む食品を普段から継続して摂取するように心がけましょう。
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